事故車の定義には決まりがある

事故車とは主に修復歴のあるクルマのことです。その車が走行に関わる部分また、骨格に関わる重要部分を修理しているかどうかが判断基準になります。修復歴有のクルマは売れずに抹消登録されるか、安い価格設定で販売されています。

しかし、修理の内容を見極めることで修復歴有でも全く問題ない場合もあります。事故でもないのに骨格に関わる重要部分とされる一部を修復せざるを得ないケースも中にはあります。本当に事故による損傷で修復したのか事故ではない理由で修復したのか見極めも大切です。

ココを修理したら修復歴になる ココをチェックしよう
図はJAAI日本自動車査定協会東京都支所HPより
参考 http://www.jaai.com/sateidojo/expert/08.htm

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①フレーム・サイドメンバー
②クロスメンバー
③インサイドパネル
④ピラー(前方からA.B.Cに分けられる)
⑤ダッシュパネル
⑥ルーフパネル
⑦フロア
⑧トランクフロア

①から⑧の骨格部位に損傷があるもの又は修復されているものは修復歴となります。クロスメンバーのすぐ後ろのラジエターコアサポートは交換されており、かつ隣接する骨格部位に凹み、曲がり又はその修理跡があるものが修復歴となります。

以前は⑨としてラジエターコアサポートが掲載されていましたが、現在はありません。しかし、この部分は交換されているだけで修復歴有とみなされていますので注意が必要です。

大抵の事故の際には複数個所に影響が及ぶので注意

現在のクルマは上記図のようなモノコックフレーム構造です。モノコックフレーム構造はクルマの軽量化を実現とともに外部からの衝撃に対し、室内空間の前後で衝撃を吸収させ、乗員の安全性を確保するクルマの構造になっています。つまり衝撃をクルマ全体で吸収させ安全を確保する構造のため、事故の際には衝突部分のみではなく衝突部分から離れている部分にまで影響する場合が多くなります。

たとえば、左前方からの衝突の場合は、②クロスメンバー、③インサイドパネルの損傷に加え⑤ダッシュパネル、⑦フロアの歪みも発生します。衝突の強さによってはルーフも歪みます。どの部分まで修復されているかを判断することで事故の大小を見分けることもできます。

現在はセダンタイプのクルマは少数派になりつつありますが、ステーションワゴンもミニバン、SUVもモノコックフレーム構造となっていますので上記図と同じような構造になっていますので、当てはめることができます。以前のワンボックス車や本格オフロードタイプの車はラダーフレーム構造となっていますのであてはまりません。



コレで簡単にチェックできる修復の有無

ボンネットやインサイドパネル、ラジエターコアサポート付近はナットの山とシーラーを確認しましょう。ナットの山やパーツの形状に異常がないか確認しましょう。

その他にはジャッキアップポイントの近くに、まるでBCGの跡のようなドットの塊が無いか確認することが大切です。これはフレーム修正機にかけた跡ですので、これがあるクルマは100%修復歴有です。

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ドアのヒンジ付近のナットの山が欠けていないか、再塗装された跡が無いか確認することで修理されているかどうか判断できます。また、ドアのシーラーがキレイな状態か確認しましょう。シーラーとは鉄板同士を貼りあわせた際の合わせ目の部分に塗られるコーティング剤のようなものです。

ドアの修理のためシーラーが一旦外された場合にはシーラーが塗られていなかったり、モコモコ雑な仕上がりになっていたりします。注意が必要なのは輸入車です。輸入車の場合はシーラーが全て施されていなかったり初めから雑な車種もありますので新車の時の状態を把握しておく必要があります。写真(筆者撮影)は軽自動車リヤドアの正常なシーラー部分です。

事故による損傷でないケースもある

事故ではない修復とは、降雪地域によくあるケースですが、軒下で落雪によるルーフのヘコミ修理などです。ルーフの修理は骨格に関わる重要部分とされ、修復歴有になりますが事情がはっきりしている場合問題ありません。

また、骨格に関わる重要部分であるリヤフェンダー、クォーターパネルのサビを修理するために板金したケースも事故ではありませんので事情がはっきりしていれば大丈夫です。

主に、リヤタイヤ周りの腐食修理が該当します。サビを取ってサビ止めを塗り塗装しても中から腐食してくるので効果は1年ほど。切断して根本から修理するため修復歴有になるのです。しっかり修理した整備記録を残っていることが大切です。

修復歴に該当する部分であっても本当に軽微の修復ならほぼ問題ありません。中古車販売店からの説明なら本当に信頼できる店かどうかを判断しなければならず、自分でも出来る限り現車をチェックしましょう。事故ではない修復も含めて修復歴有の中古車は必ず試乗して違和感が無いことを確認することが大切です。

ボンネットだけの交換は修復歴にならないってホント?

修復歴チェックポイントにないボンネット。ボンネットはエンジンの熱や振動、音を吸収したり、クルマの前部にあるため飛び石を受けたりします。また、ドアのみがヘコミドアを外して修復しても修復歴にはなりません。走行に関わる部分また、骨格に関わる重要部分に該当しないためです。

しかし、ボンネットやドアを外した際にはナットの山が欠けたりビスの塗装がハゲたりします。下取や買取の際に査定を申し込むと修復歴有とみなされる危険もあります。修復歴有とならなくても買取価格には影響します。つまり、再販する際にお客様から疑われるリスクがあるためです。

ボンネットやドアのみの修理の際にはしっかり記録を残しておくことがポイントです。整備の明細を整備記録として保存しておくことで査定時に簡単に説明することができます。修復歴有になってしまうルーフの修理なども事故でないことを証明するために整備記録として保存しておくことが大切です。